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<第3部>

 ハイジのお父さんトービアスは船乗りで船事故があり死んだものと思われていました。しかし、トービアスは外国の船に救助されていたのです。保護された船が当時ドイツ帝国と敵対していたロシア帝国軍の軍艦だったので保護というよりも捕虜として抑留されていたのです。それが昨年開放されたが長年の抑留生活の末、体をこわし今、フランクフルトの病院にいるということです。
  なぜデーテおばさんが今になってこんな話をしたかはトーピアスとオンジのある出来事があって以来、二人は関係断絶の状態になっていて、トーピアスは妻のアーデルハイドの死を知って大変なショックを受けたのと同時にハイジの行方もデーテおばさんの情報だけが頼りだったそうです。 デーテおばさんは最後に一言こういいました。
「ハイジ、フランクフルトに帰ってお父さんと会ってらっしゃい。そして、ペーターの事はもうあきらめなさい」
  お父さんが生きている...そんなこと今まで考えたこともありませんでした。ハイジは複雑な戸惑いに小さな胸を痛めます。顔も思い浮かべることもできない父親とまだ、あきらめることができないペーターのことで激しいジレンマがハイジに襲いました。

 

<第4部>

 

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